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Channel: 網創漠蓄
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戦争の仕組みその6

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〜冷戦〜

その5はこちら。

一般的にイメージされる「冷戦」の意味もあるが、ここではむしろ
熱戦に至るのを防ぐために必要な戦いという意味で。


代理戦争

一般的に対峙する勢力同士が直接は事を構えない戦争の形態をこう呼びます。ただし片側は直接戦闘、
ということ起きるし両者の直接戦争の引き金になることもあり得ますが、そうなることを防ぐための努力が
行われているような時を通常は代理戦争と呼びます。そうでないときには限定戦争の範疇になります。

マクロの視点、というか遠目から見ればこの戦いの主役はバックにいることになる勢力間の争いですが
通常戦っている当事者の方にも戦う必然性やバックを引き込む理由があるのが普通です。当然そこに
大勢力の方に介入する理由、こちらの勢力や影響下に引き込むというものを含めて、が一致して初めて
代理戦争という形をとります。もちろんその戦いの強度自体も総力戦から限定戦争までいろいろあります。

もちろんその争いには介入前から火種はあり、それが介入によりより大規模な形に現出するという面は
あります。戦闘のリスクが大きすぎて戦闘の介入がないと戦いを起こせないという形のこともありますが
その場合は介入がなければ、非正規戦やテロの形になっただけということも多く、介入によって変わるの
は結果と犠牲者の数だけではあったりします。もちろん対立の諸要素を大きく変えることにはなりますが。


諜報戦

熱戦にならない段階で行われる戦いが諜報戦です。一般的にはスパイ戦や工作活動といった言葉の
方がイメージが近そうですが、それよりは探偵とかネゴシエイターなどに近い活動が中心になり、
「工作員」などか時には自分(1人)の命を危険に晒しながら目的達成のために動きます。ただし工作員
に首謀者となる国や機関はない場合もあり、在野勢力や一個人が主体となって活動するときもあります。

宮廷などでの権謀術数もそれが上手くいっている間には戦争に到ることは稀ですし、冷戦時における
スパイの活躍も、全面戦争に至ることを避けるために力が入った側面もあります。実際の歴史でも
国家間の問題は主に兵を出して解決→兵法など戦わずにも解決を図る→外交など平和的解決手段
の確立、というように問題解決のための手段の平穏化に動いてゆく流れがあります。

広い意味では反戦運動も諜報活動の一種であり、それ以外にもガンジーの戦い方の選択やキング牧師
周辺の政治工作などにその片鱗を見ることができます。独裁などとの非暴力的な戦いにも戦略的要素
今や必須であり、そういった部分を蔑ろにすることは外交と戦争との間を縮めて平和を壊す元になります。


外交戦

外交は現代においては国と国とが主に意見を突き合わせる場でもあり、現代の国際秩序の中では
国家間の諸問題を解決するための由いつ合法的な手段です。ただしそれが可能になるまでには幾多の
戦争、世界大戦等を経て諸条約の上に万国公法など国際法の整備と世界的な厭戦気分が必要でした。

また国民国家が主となった現代においては大衆相手の宣伝工作、情報戦・プロパガンダ(元の意味での)
も同様に日々行われており、呼び方は主権者だったり(国の名前)人、政治家だったりに対する呼びかけ
等の形で理解を求めたり、記者会見等の形でメッセージを出したりといった形でも行われています。

尤も人類は戦い自体は好きという性質があるようで、パンとサーカスのサーカス(試合)の方を民衆が
求めるところもあり、大衆心理が安直な解決に向かいやすく戦争嗜好になりやすいところがあります。
特に顔の見えない相手を相手には。外交官という存在はそういった中で各国の個人と接することで
相手国をも偏見を持たずに見ることに慣れ、戦争に対する抑止の役割を果たすことを期待された存在
です。ただし金権腐敗の激しい高官等にもある程度あわせる必要があり、染まるような部分もありますが。


続きます。


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